ベランダで手軽に始める生ごみ液肥作り方と活用法【初心者向け】
ベランダで手軽に始める生ごみ液肥作り方と活用法【初心者向け】
毎日の生ごみ、少しでも減らせたら嬉しいと感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に野菜くずなどは、まだ栄養が含まれているのに捨ててしまうのはもったいないと感じることもあるでしょう。
このサイトでは、ベランダ菜園を通じてそんな生ごみを資源として活用し、おいしい野菜を育てる方法をお伝えしています。今回は、初心者の方でも簡単に始められる「生ごみ液肥」の作り方と、ベランダ菜園での効果的な使い方についてご紹介します。特別な道具はほとんど必要ありませんので、ぜひ気軽に試してみてください。生ごみが栄養豊かな肥料に変わる様子を、ご家族と観察するのも楽しい経験になります。
生ごみ液肥とは?なぜベランダ菜園におすすめなのか
生ごみ液肥とは、野菜くずなどの生ごみを水と混ぜて発酵させた液体肥料のことです。微生物の働きによって生ごみの栄養分が分解され、植物が吸収しやすい形になります。
ベランダ菜園で生ごみ液肥を使うメリットはいくつかあります。
- 手軽に始めやすい: 段ボールコンポストなどに比べて、比較的小さな容器で手軽に始められます。場所も取らず、マンションのベランダにも適しています。
- 速効性がある: 液体のため、植物の根から素早く栄養が吸収されやすいと言われています。元気がない植物への追肥(生育途中に与える肥料)としても有効です。
- 生ごみ活用を実感しやすい: 日々の野菜くずなどが液肥へと変化し、それが植物の成長に役立つ様子を実感しやすいです。
- 必要なものが少ない: ご家庭にあるペットボトルや密閉容器などを活用できます。
簡単!生ごみ液肥の作り方
ここでは、特別な材料を使わない簡単な作り方をご紹介します。
準備するもの
- フタ付きの容器(ペットボトル、プラスチック製保存容器など)
- 野菜くずなどの生ごみ(硬いもの、油っぽいものは避ける)
- 水
作り方
- 容器に生ごみ(野菜のヘタ、皮、葉など。柑橘類の皮や辛いもの、油分が多いものは避けた方が良いでしょう)を入れます。容器の半分くらいまでが目安です。
- 生ごみが浸るくらいに水を加えます。
- しっかりとフタをして、直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。
- 最初のうちは、1日に1回フタを開けてガス抜きをします。プシュッと音がすることがあります。
- 約1ヶ月ほど経つと、液体の色が濃くなり、生ごみがある程度沈んでくるサインが見られるようになります。これが液肥の完成です。完全に密閉せず、少し空気が触れるようにしておくと発酵が進みやすくなる場合もありますが、匂いが気になることもあるため、初心者の方はまず密閉容器でガス抜きをしながら始めるのがおすすめです。
ワンポイント
- 悪臭がする場合は、発酵がうまくいっていない可能性があります。その場合は、いったん中止してやり直しましょう。
- 夏場は発酵が進みやすく、冬場は時間がかかることがあります。
- できた液肥の上澄みを使います。残った生ごみは、再度水を入れて液肥を作るか、燃えるごみとして処理してください。
生ごみ液肥の使い方
完成した生ごみ液肥は、そのまま植物に与えるのではなく、必ず水で薄めて使用します。
使い方
- 完成した液肥の上澄みを別の容器に移し取ります。
- 移し取った液肥を、水で50倍〜100倍程度に薄めます。(例:液肥10mlに対して水500ml〜1000ml)最初は薄めの倍率から試すのが安心です。
- 薄めた液肥を、植物の根元から少し離れた土に水やりとして与えます。葉っぱに直接かけると、シミになることがありますので注意が必要です。
- 与える頻度は、生育期に1週間に1回〜2週間に1回程度が目安です。与えすぎは根腐れの原因になることがあるため、土の乾き具合を見ながら調整しましょう。
生ごみ液肥で育てやすい植物
葉物野菜(レタス、ほうれん草など)、ハーブ類(バジル、ミントなど)、生育が早いものに向いています。実をつける野菜(トマト、ナスなど)にも使えますが、株の生育を促す追肥として利用するのが一般的です。
失敗しないための注意点
- 匂い: 発酵が進むと独特の匂いがすることがあります。完全に密閉できる容器を使う、風通しの良い場所に置くなどの工夫で対策しましょう。
- 与えすぎ: 液肥は栄養が凝縮されています。薄める倍率を間違えたり、頻繁に与えすぎたりすると、根を傷めてしまう可能性があります。必ず記載の希釈倍率を参考に、最初は薄めから試してください。
- 油分や塩分: 調理済みのものや、油分、塩分が多い生ごみは避けてください。発酵がうまくいかなかったり、植物に悪影響を与えたりする可能性があります。
子供と一緒に楽しむ生ごみ液肥作りとベランダ菜園
生ごみ液肥作りは、お子様と一緒に「ものが生まれ変わる」ことを学べる良い機会です。
- 一緒に野菜くずを集める。
- 容器に入れる作業を手伝ってもらう。
- 水を入れたり、フタを開けてガス抜きをしたりする様子を見せる。(ガス抜きは保護者の方が安全に行いましょう)
- 完成した液肥を一緒に水で薄める(計量カップを使うと算数の勉強にも)。
- 液肥を与えた植物の成長を観察する。
これらの作業を通じて、食べ物の大切さや、環境に優しい取り組みについて自然と関心を持ってもらうことができるかもしれません。
手間を減らす工夫
忙しい毎日の中で、全てを完璧に行うのは大変かもしれません。
- 生ごみ液肥はまとめて作っておき、必要な時に希釈して使うようにすると便利です。
- 水やりと液肥やりを兼ねて、週に一度などルーティンを決めてしまうと忘れにくいでしょう。
- 葉物野菜のように比較的短期間で収穫できるものを選ぶと、手軽にサイクルを楽しめます。
生ごみ削減効果を実感する
毎日少しずつでも生ごみの一部を液肥に変えることで、ごみとして出す量が減るのを実感できるでしょう。特に、普段は捨ててしまいがちな野菜の皮やヘタが、植物を育てる栄養になることを知ることは、無駄を減らす意識を高めることにもつながります。
まとめ
ベランダでの生ごみ液肥作りは、特別な知識や技術がなくても、どなたでも気軽に始められるエコな取り組みです。生ごみが植物の栄養に変わる過程は、お子様にとっても良い学びとなります。
今回ご紹介した簡単な方法で、ぜひ生ごみ液肥作りとベランダ菜園を始めてみてください。おいしい野菜を育てながら、同時に生ごみを減らすというエコな暮らしを、楽しみながら実践できることと思います。